歯科衛生士とは
歯科衛生士のお仕事
歯科衛生士の大事な仕事の中に、TBI(ブラッシング指導)とSRP(スケーリング・ルートプレーニング)があります。どちらも虫歯や歯周病の予防のために大切な業務です。
TBIとは

トゥース・ブラッシング・インストラクションの略で、正しい歯磨きの指導のことを言います。歯並びなどお口の環境によって、正しい歯磨きの方法は変わってきます。また、患者さまによって歯磨きの癖などもありますので、きちんとセルフケアするためには個別の歯磨きの指導が重要です。
TBIの際にプラークを染める染色を使用して、普段の磨き残しをチェックします。奥歯や歯の裏なども歯科衛生士がチェックし、磨き残しのない磨き方や患者さまに合った歯ブラシ、デンタルフロスをご紹介します。正しい歯磨きは、虫歯と歯周病の予防、また口臭予防にも繋がります。
TBIの流れ
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歯科衛生士による、患者さまに合った歯磨きを行います。その後、一緒に歯磨きの練習をします。患者さまの歯並びの特徴をお伝えして、磨き方のコツを指導します。患者さま自身の歯をよく知ってもらうことが、正しい歯磨きの第一歩です。
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正しい歯磨き後、プラークの磨き残しを表す指数であるオレリースコアを確認します。
ブラッシングのポイント
歯磨きは、歯を1本1本丁寧に磨いていくと10分はかかります。1日に1回で構わないので、歯の表面や歯と歯の間、歯茎との間などをできるだけ丁寧に磨きましょう。患者さまによって、歯磨きのタイミングや時間、適した歯ブラシなどの道具はさまざまです。できるだけ無理なく、正しい歯磨きが続けられるようアドバイスをしますので、疑問や不安は何でもご相談ください。
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バス法
歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当てます。細かく振動を与えるように動かし、毛先を歯周ポケットの中まで入れることで歯と歯茎の境目、歯周ポケットの清掃を重点的に行います。
歯の周りの歯茎のマッサージも行えるため、歯周病の予防や改善に効果的な歯磨き法です。 -
スクラッピング法
歯ブラシを歯の面に垂直に当て、力を加えつつ小刻みに動かす方法です。歯ブラシを強めに当て、小刻みに動かすことで毛先が歯と歯の間、歯と歯茎の間の汚れをかき出します。歯周炎にかかりやすい歯肉は歯と歯の間のため、この歯磨き法で予防が期待できます。
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)

歯周病はプラーク内の細菌が引き起こす病気のため、このプラークを取り除くプラークコントロールが歯周病の予防のためには大切です。しかし、歯周ポケット深くに入り込んだプラークを取り除くのは難しく、プラークが石灰化した「歯石」は歯ブラシで取り去ることはできません。
この歯周ポケット内の歯石を除去するのが「スケーリング」と「ルートプレーニング」です。
スケーリングとは
ハンドスケーラーと呼ばれる器具で、歯茎の上についた歯石と浅い歯周ポケット内の歯石を取り除きます。また超音波を使ったスケーラーでは深い歯周ポケットからプラークや歯石を取り除きます。スケーリングで出血することがありますが、歯石の着いていた歯茎が炎症を起こしているためです。歯石を取り除くことで歯茎の炎症が改善すると、出血しなくなります。
ルートプレーニングとは
スケーリングによってデコボコになった歯根の表面を滑らかに仕上げます。プラークによって汚染された表面を硬く滑らかにすることで、再びプラークや歯石を着きにくくすることができます。